次期LSにも対応されるGT-Aと呼ばれる新型プラットフォームは、重心高を510mmに抑え、エンジンを50mmキャビン側に移動したことで、前後重量配分はV8が前52、後48、ハイブリッドが前51、後49と理想に近いもの。
がっちりとしたボディはアルミやCFRP(いわゆるカーボン)を多用したもの。構造用接着剤を73mにわたって使用。
スポット溶接も点結合から線結合となることで、しなやかさも併せ持つことが、安心感の秘密なのだ。
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LC500h 強烈な加速を生む走りのハイブリッド
LCのハイライトは、最新のハイブリッドシステムにある。05年から開発が始まったというマルチステージハイブリッドシステムは、ベースこそGS450hに採用される3.5Lハイブリッドだが、4速ATを使うことが新しい。
これによってエンジンの回転を使い切ることが出来、エンジンとモーターの出力を増幅させることも可能になった。
さらにエンジン最高出力の使用できる車速がガソリンモデルと同等の約50km/hからと低くなった。
エンジンもGS450hが295ps/6000rpmなのに対し、LC500hは299ps/6600rpmにチューニング。モーターによってエンジン回転数を変化させることで10速の模擬変速制御を可能にしている。
これで何が起こるかというとハイブリッド車のぬるい加速が一変、低速からの加速が可能になった。
ハイブリッドといえば静かなイメージがあるが、LC500hはエンジンサウンドも気持ち良く、ハイブリッドと言われなければわからないほど。10速に刻まれた変速もATまではいかないが、ダイレクト感があってパドルシフト操作が楽しい。
サーキットやワインディングも走ったが、そのハンドリングは車が小さく感じられるくらいスムーズなもの。
AI-SHIFT制御が入り、ドライバーの意思を読み取った最適なギアを選ぶため、一般道でも賢い走りを見せる。
なおLC500hはプリウス同様プライムアースEVエナジー社のリチウムイオンバッテリーを使い、140km/hまでエンジンが停止でき、経済的にも貢献。約5%の燃費向上が可能になった。
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LC500 最高の加速感を生む新開発の10速AT
あと数年後にはなくなってしまうだろうと言われるV8、5Lを搭載するLC500。同じエンジンをRC Fも採用するが、そのRC Fが可哀想なくらいLC500はいい。
アイシンAW製10速ATはスムーズでリズミカル。デュアルクラッチよりもいいとアクセルを踏み込めば、デュアルインテークシステムによるスポーツサウンドも心地いい。
これぞスポーツカーと言いたいが、今度のLC500hが開いた新しいスポーツハイブリッドの世界にこそ価値があるのだろう。86にマルチステージハイブリッドを搭載する時代が早く来て欲しい。
レクサスLC予想価格
- 500:1300万円
- 500 Lパッケージ:1300万
- 500 Sパッケージ:1400万円
- 500h:1350万円
- 500h Lパッケージ:1350万円
- 500h Sパッケージ:1450万円
ベースモデルとSパッケージがカーボンルーフ、Sパッケージには専用アクティブスポイラーを装着。
レクサスLC主要諸元
LC500 | LC500h | |
全長☓全幅☓全高(mm) | 4770☓1920☓1345 | 4770☓1920☓1345 |
ホイールベース(mm) | 2870 | 2870 |
エンジン | V8 DOHC | V6 DOHC+モーター |
排気量(cc) | 4969 | 3456 |
最高出力(ps/rpm) | 477/7100 | 299/6600 |
最大トルク(kgm/rpm) | 55.1/4800 | 35.5/4900 |
システム最高出力(ps) | - | 359 |
重量(kg) | 1935 | 1985 |
トランスミッション | 10AT | 4AT付き マルチステージHV |
サスペンション | マルチリンク/ マルチリンク |
マルチリンク/ マルチリンク |
0~100km/h加速 | 4.5秒以下 | 5秒 |
予想価格 | 1300万円 | 1350万円 |