日産が昨年のノートから進めているe-POWER戦略を日産車全体の方向性とするならば、もうひとつ大きな柱となるのがスポーツモデルの方向性。
それはもちろん、NISMOモデル戦略のことを指している。
東京モーターショーでは新たに新型リーフに早くもNISMOモデルのコンセプトがワールドプレミアされたほか、同じくセレナNISMOも出展された。
現在、日産車にNISMOが設定されているのはGT-Rを筆頭に、フェアレディZ、ノート&ノートe-POWER、マーチ、ジュークの5車種。
GT-R NISMO2019年モデル
昨年8月のマイナーチェンジで17年モデルに進化したGT-R NISMOだが、早くもニュルで19年モデルの高速テスト風景がキャッチされた。
フロントフェンダーの一部がカモフラージュされているほか、ブレーキキャリパーも17年モデルより大型化されている。
また、改善を施したNISMO専用のカーボン製フロントバンパーやエアスプL装着でダウンフォースを向上させているようだ。
チューニングに関してもより高速での安定性を向上させたセッティングとなり、足回り中心の変更となりそう。
登場は来年8月頃の予定。
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スカイラインNISMO
より上質なアッパーミドルスポーツサルーンとして期待できるスカイラインNISMO。
現在、スカイラインはV6、3.5L+モーターのハイブリッドと、ベンツ譲りの直4、2Lターボとの二本立てのラインアップだが、そこにトップグレードとしてNISMOが新たに加わることになりそうだ。
注目のパワーユニットは昨年、北米市場で追加された「レッドスポーツ400」に積まれている新開発のV6、3L直噴ツインターボのVR30DDTT。
400ps/48.4kgmを発揮するだけに、BMW M3セダン(431ps/56.1kgm)にも迫ろうかという存在になる。
元々北米日産にはIPL(インフィニティ・パフォーマンス・ライン)というインフィニティのチューニング部門がある。
これはベンツのAMG、BMWのMを意識したブランドとして設立されており、スカイラインNISMOはいわばその日本仕様として設定される可能性が高い。
価格は550万~600万円前後と予想。
現行型スカイラインになってからスポーツ色が希薄になっていたが、このV6、3Lツインターボのパンチはなかなかに強力。
GT-RのV6、3.8Lツインターボを搭載し、14年のデトロイトショーで出展された「インフィニティQ50オールージュコンセプト」ほどではないにせよ、久々に車好きを唸らせるモデルになりそうだ。
大いに期待したい。
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次期型ジュークNISMO
現行型にも設定されているNISMOだが、次期型29にも当然用意される。
そのベースとなるのは2代目ジュークで、15年の東京モーターショーに出展されたグリップスのデザインが活かされることになる。
現行型以上の過激なデザインも魅力だ。
e-POWERはもちろん設定されるだろうが、NISMOは次期型ジュークのフラッグシップグレードとなるだけに、パワートレーンについては現行型の直4、1.6Lターボから変更される可能性もある。
現行型では、11年にスペインで世界最速のクロスオーバーSUVとして公開され、GT-RのVR38DETTを積んだジュークRが注目を集めたが、今度のジュークNISMOも過激なエクステリアとパフォーマンスに注目しておきたい。
次期型マーチNISMO
最後はNISMOの戦略の末弟モデルとなるマーチだが、いよいよベースモデルのフルモデルチェンジを待つ状況になってきている。
現行型ではCVT車のNISMOに1.2L、5MT車のNISMO Sに1.5Lを搭載しているが、次期型ではe-POWERが設定され、それがスポーツモデルのNISMOになる。
具体的には130ps級の2Lエンジンを発動用にし、新型リーフに搭載されている大パワーバッテリーの容量を1/4程度にした180ps級のモーターを搭載。
次期型マーチのボディには十分すぎるパワーの新世代スポーツコンパクトが誕生する。