1月15日のオートサロン会場で今年の5月に開かれる第44回ニュルブルクリンク24時間耐久レースに参戦する3台のマシンがアナウンスされた。レクサスのRCとRC Fは順当だろうが、異色なのは、昨年のジュネーブ、フランクフルト、東京の各ショーに出展された、プリウスのプラットフォームを使ったSUV、CH-Rコンセプト。そのレーシング仕様で参戦するというものだった。
CH-Rはこの秋にも市販が予定され、その前にCH-Rのスポーツ性をアピールする狙いがあるわけだが、あるトヨタ関係者は、このCH-Rのスポーツモデルは、あるビッグネームの復活に使われる可能性がある、と語った。
CH-Rは車高も高く、都市型SUVとして、日産ジュークやホンダヴェゼルに対抗していくハイブリッドモデル。実質的にはRAV4の後継車だが、4WDシステムは新型プリウスと同じ、リアはモーターで駆動するE-FOUR。
日本向けにはFFの1.2Lターボも用意され、そのほかヨーロッパ向けにはコンベンショナルな1.2L、4WDも設定されるという。今回、ニュルブルクリンク24時間レースに出場するのは、このヨーロッパ市場に向けてスポーツ性の高さをアピールするのが本当の目的。
すなわち、ヨーロッパでトヨタのスポーツ4WDと言えば、WRC時代に活躍したセリカGT-FOURの知名度が高く、そうしたイメージを受け継ぐモデルとしてローダウンしたレーシング仕様のC-HRをレースに出す、ということなのだ。
CH-RはSUVだが、ボディを低くした新デザインのCH-RをセリカGT-FOURとして登場させればヨーロッパの車好きには受け入れやすい。もちろん、1.2Lターボ4WDでも1.8Lハイブリッドでもかまわないが、トヨタの前衛的なデザインのスポーツモデルであればセリカの名前はよく似合う。
もちろん、日本でも同じだろう。車高の高いSUVがCH-R、車高の低いスポーツクロスオーバーがセリカとして復活すれば、それは大きな武器になる。
価格的にも4WDスポーツで300万円強なら十分魅力的。C-HRの発表が秋だとすれば、その派生車ともいえるセリカGT-FOURは2年後程度が有力となる。
果たして、このCH-Rレーシングがどこまで発展するか未確認ながら、2020年までのトヨタの計画は大きく注目される。
スープラ、スポーツ800、セリカが86に続いて登場してくれば、若い人の車離れも車好きの不満も一気に解消されるに違いない。