ホンダがデトロイトショーで華々しくお披露目したのがアキュラブランドのフラッグシップサルーンをイメージさせる「プレシジョンコンセプト」。そのスタイルは低くワイドで4ドアセダンとは言うものの、かなりスタイリッシュな印象だ。
ボディサイズは全長5180mm、全幅2135mm、全高1320mm、ホイールベースは3100mmとビッグサイズ。このサイズのボディにもかかわらず、更に大きく見えるタイヤ&ホイールは22インチ径と、これまた超大径サイズである。
あくまでもデザインコンセプトという位置づけで、これが直接今後の市販モデルに繋がるものではない、としているものの、ビッグサイズの4ドアサルーンという位置づけはアキュラで言えばRLX、日本名レジェンドの将来像をイメージさせるのは無理からぬこと。デザインの主導は北米にあるアキュラのデザインスタジオとなる。
次期型レジェンドはFRになるのか
伸びやかなプロポーションは一見縦置きエンジンの後輪駆動型か?と起想させる。ホンダは現行型レジェンドが登場する前、次期型フラッグシップサルーンとしてFRベースのプラットフォームを開発しながらも、リーマンショックなどにより計画凍結となった経緯がある。今度こそFRプラットフォームで開発するという意思表示なのか。
縦置きエンジンの後輪駆動とするには、フロントタイヤとフロントドアの距離が近すぎる印象。前後タイヤは思い切って四隅に配置されていて、サイドから見るとキャビンも全体にフロントよりのフォルムとなっている。そこまでFRをアピールするデザインという印象ではない。インテリアもデザインコンテストとして仕上げられており、メーターパネルにはドライブトレインの作動状況が表示されるようになっている。
イメージ図がプレスカンファレンスの際、会場の大型モニターに映しだされたが、これを見るとフロントエンジンのSH-AWDであることが分かった。具体的な駆動方式などは発表されていないが、エンジンの搭載位置や駆動力の流れを見る限り、現行型レジェンドに採用される後輪を左右独立モーターで駆動するハイブリッド4WDの採用が想定されていると見るのが妥当だろう。模式図ではエンジンを搭載位置はフロントアクスルよりも前方となっている事が見て取れる。
「あくまでも今後のアキュラデザインの方向性を示したデザインコンセプトで、パワートレインについても現時点での想定という範囲にすぎない」とアキュラ担当者は言うけれど、このスタイルにはワクワクさせられる。