オデッセイハイブリッド　　ガソリン車との価格差55万円の価値はあるのか？

JC08モード燃費=26.0km/Lをマークするオデッセイハイブリッド。市街地走行ではほぼ全域EV走行をするハイブリッドシステムによる、スムーズで力強い走りを実感。人気のアルファードハイブリッドと比べてどっちがいい？

オデッセイハイブリッドのここがポイント

●アコードハイブリッドと同じ、市街地走行時はほぼEVとなるi-MMD式ハイブリッドを採用

●JC08モード燃費はこのクラスのミニバンとしては圧倒的な26.0km/Lをマーク（アブソルートは24.4～25.2km/L）

●駆動力モーターは最高出力184ps、最大トルク32.1kgmでパワフル

●リチウムイオンバッテリーは前席下に搭載するため、2列目、3列目の室内空間はガソリン車と同等

室内広々、走りもスムーズ

2月4日に発表となったオデッセイハイブリッド。ガソリンエンジン車同様、標準タイプと、18インチタイヤを装着するなどスポーティな仕様のアブソルートを設定する。

エクステリアはハイブリッドとわかる大きな変更点はなく、左右フェンダーとテールゲートの「HYBRID」のエンブレム程度。インテリアの基本的には差異はなく、ハイブリッド専用のメーターパネルが違いをアピールする。実にさりげなくハイブリッドを送り込んできた印象。

価格は最廉価の「ハイブリッド」が356万円～、「ハイブリッド・アブソルート」が378万円～で、ガソリンエンジン搭載モデルに対し55万～60万円程度価格アップ。この価格差ほどの価値ははたしてあるのか？

ハイブリッドシステムはアコードと同じ2モーター式の「i-MMD」。2L、直4エンジンで発電をしながら、60km/h以下のタウンスピードではモーター動力のみで走り、60～100km/h付近の速度域ではモーターとエンジン動力をミックス、高速巡航ではエンジン動力のみで走る。変速ギアは搭載されず、エンジンは5速ギヤ相当に固定されたギヤ比で若干増速され自動的に作動するクラッチにより駆動系と断続される。

タウンスピードではEV

走り出しは実にスムーズ。アクセルペダルを踏み込むとヒューンとモーターが力強く、そしてなめらかに1860kgの車体を軽快に加速させる。この感覚はEVで、さらに力強い加速を求めてアクセルを踏むと20km/Lあたりからエンジンが作動、加速と共にエンジン音も大きくなるのだが、これはモーターに供給する電力を必死に発電している為で、エンジン動力はまだ駆動力には参加してはいないのだ。一方高速道路に入ると一定速度巡航時にエンジンが作動して駆動しているのだが、インジケーターを見なければエンジン駆動なのかモーター駆動なのかを判別することはできない。

ガソリンエンジン車と乗り比べたのだが、ハイブリッドは乗り心地が何とも重厚な印象。オデッセイってちょっと乗り心地が固い印象だったのだが、ハイブリッドは固さは感じさせず、実に快適。80kg程度重くなった車重と、重たいバッテリーが低い位置に搭載されていることによる低重心化が功を奏しているのだろう。これは悪くない。

バッテリー（リチウムイオン）といえばアコード用に随分と小型化されており、これを一列目シート下に搭載している。これにより室内空間はガソリン車とまったく変わらぬスペースを実現しており、もちろん二列目シート、3列目シートのスペースも変化なし。3列目の床下収納だって変わらず採用されている。

約40分、一般道と高速道路を半々程度普通に走って燃費は19.6km/L。これはオデッセイサイズのミニバンとしては素晴らしい燃費だ。

オデッセイのラインアップと価格

オデッセイハイブリッド主要諸元