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ポルシェが変わった!3Lフラット6ツインターボになって走りはどう変わったのか?

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まさかポルシェまでもターボ化の波に乗ろうとは思ってもみなかった。911カレラの自然吸気フラット6はどこからみても最高のエンジンであることは間違いない。たとえライバルメーカーがターボ化しても、ポルシェだけは自然吸気のフラット6を残してほしかった。だが911カレラのフラット6は本当にターボ化されてしまったのだ。

カナリア諸島のリゾートアイランド国際試乗会で島の飛行場に着くと、いきなり3Lターボを搭載する新型911カレラのコクピットに押し込まれ、新感覚のターボエンジンのドライブが始まった。911の掟である「カレラとカレラSのパワーの差はどうか」などと冷静ではいられない。あの最高の自然吸気フラット6を追いやってしまった3Lターボとどう向き合うのか。

いつもどおりにキーをひねると新開発の3Lターボは目をさました。最初に乗ったのがカレラの370ps/45.9kgmだ。カレラSはタービンも大径タイプに交換し、420ps/51.0kgmのパフォーマンスを持っている。先代は自然吸気の3.4Lと3.8Lだったので「ダウンサイジング」したわけだが、ポルシェは「ライトサイジング」と強調する。つまり巷で流行っているダウンサイジングではないと言いたいのだ。だが、理屈はどうでもいい。新開発のターボエンジンが自然吸気派のドライバーを納得させるかどうかが、重要な論点だ。

初乗りで気がついたのはエンジンの音があまりターボっぽくないことだった。それには少し安堵した。今までは3.8Lの911ターボしか知らなかったので低いエキゾーストサウンドがボクサーターボだと思っていたが新開発の3Lターボは非常に軽やかな音質を持っている。空港からホテルに向かう道中ではターボ化によって911カレラの走りの質感が高まると感じた。静かでトルクフルなエンジンキャラクター、また振動面でも車体全体が進化している。

もう一つの美点はターボと新開発7速MTのマッチングが素晴らしかった。今回からWマスのフライホイールを使っているので、エンジンの低回転のトルク変動が抑えられている。4速1000回転(約35km/h)でも走れるから、その粘りは驚きだ。さらにターボ特有のトルクで加速する感覚と自然吸気のような回転の上昇でパワーがみなぎる感覚も味わえた。カレラSに至っては51.0kgmのトルクで驚くべき加速だ。3.8Lの911ターボも存在をおびやかされるかもしれない。結論を述べるなら、ターボによって911カレラはもっと上質になったのである。これを是とするかどうかは今後の論点となりそうだ。

911スペック表

グレード 11-15年
911型カレラS/カレラ4S
11-15年
911型カレラ/
カレラ4
16年~
911型カレラ/
カレラ4
16年~
911型カレラS/
カレラ4S
エンジン 水平対向6気筒 水平対向6気筒 水平対向6気筒
ツインターボ
水平対向6気筒
ツインターボ
排気量(cc) 3799 3436 2981 2981
最高出力
(ps/rpm)
400/7400 350/7400 370/6500 420/6500
最大トルク
(kgm/rpm)
44.9/5600 39.8/5600 45.9/
1700-5000
51.0/
1700-5000
圧縮比 12.5:1 12.5:1 10.0:1 10.1:1
0→100km/h 4.3 4.6 4.4 4.1
最高速度(km/h) 302 287 293 306
車両重量(kg) 1450 1430 1450 1460
日本価格 1533万円 1250万円 1309万1000円 1584万1000円

 

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