スズキの小型車の主力モデルであるスイフト。その高性能スポーツモデルとなるスイフトスポーツの次期型の姿は?
初代スイフトスポーツが誕生したのは03年。05年登場の2代目と11年登場の現行モデルの3代目がキープコンセプトのモデルチェンジだっただけに、次期型はどうなるのか?
基本フォルムやブラックアウトしたA&Bピラーなど、2代目から続くスイフトのアイデンティティを継承。その上で、次期型では大型化したフロントグリルが六角形のデザインとなり、そのノーズ回りがより立体的になったのが特徴。さらに、ピラーに同化させて後席ドアハンドルやルーフにフローティングデザインを取り入れるなど、随所で新しいさを感じることができる上、何よりも全体的によりアグレッシブなフォルムに変身していると言える。
そのボディサイズは現行型よりやや全幅が広がって3ナンバーサイズになると予想されるが、バレーノと同じBセグメント用の新型プラットフォームを採用するのがポイント。軽量化と高剛性を高い次元でバランスさせたこのプラットフォームによって、バレーノでは910~950kgの車重を実現しており、次期スイフトスポーツでも車重は900kg台まで軽量化が図られることになりそうだ。
スポーツモデルのスイフトスポーツにとって、この軽量ボディは大きな武器になる。そして、次期スイフトスポーツで一番の注目はパワートレーンだろう。
元々スイフトスポーツは、初代が欧州仕様のイグニスでジュニアWRCに参戦していたことで、2代目からジュニアWRCと同じ1.6L直4エンジンを搭載。そのため、次期型も現行型と同じ1.6LのM16A型エンジンを継承する可能性がある。その場合、最高出力を現行の136psから145ps程度まで高めてくるだろう。
しかし、同じM16A型を搭載するエスクードの海外版、ビターラは1.4L4気筒直噴ターボエンジン搭載モデルをイギリスで発売していて、これを次期スイフトスポーツに採用する可能性も濃厚なのだ。1.4Lターボエンジンは、ビターラでは140ps/22.4kgmを発揮するが、次期スイフトスポーツでは専用チューンが施され、150ps/25.0kgmまでパワーアップが図られるはず。
スズキ関係者によると、CO2排出量の少なさが重視される欧州ではダウンサイジングターボが主流になっているため、ベースのスイフトではバレーノと同じ1L3気筒ターボ、スイフトスポーツでは1.4L4気筒ターボでのテストが行われているという。これらの「ブースタージェット」エンジンによる開発は欧州仕様のためかもしれないが、日本でも1.4Lターボになる可能性は高い。
組み合わされるトランスミッションは6速MT、それに6速ATも用意されるはず。さらに次期型は内外装、それに走りも含めて質感の向上が図られ、VWポロGTIなど欧州コンパクトスポーツを競合車として想定しているというから、走りもバリバリ期待できそうだ。注目の価格は220万円程度で、デビューは今年11月頃が予想される。
次期型スイフトスポーツ予想諸元
全長☓全幅☓全高(mm) | 3900☓1725☓1500 |
ホイールベース(mm) | 2430 |
車重(kg) | 990 |
エンジン | 1.4L、直4DOHCターボ |
エンジン最高出力(ps) | 150 |
エンジン最大トルク(kgm) | 25.0 |
トランスミッション | 6速MT |
駆動方式 | FF |
JC08モード燃費(km/L) | 25.0 |
価格 | 220万円 |