スバルグローバルプラットフォームを初めて採用する新型インプレッサはまさに「維新を感じさせる」ものだった。
スバルのデザインキーワード「ダイナミック☓ソリッド」。これもこの新型インプレッサから採用されたものだが、正面、サイドとリアの4つの面を一連につないで一体感を持たせたフォルムのボディ四隅にタイヤを踏んばらせるような格好で配置した。
ボディサイズは全長4625(5ドアは4460)mm、全幅1777mm、全高1455mmでホイールベースは2670mm。現行型に比べ、全長が45mm長く、全幅が42mmワイド、ホイールベースも25mm長くなったが、全高は10mm低く抑えられている。
一方でドアミラーを含めた全幅や最小回転半径は従来モデルと同じサイズに収められ、取り回しが悪くなったりしていないのも好印象だ。
Bピラーより前は4ドアセダンと5ドアハッチバックは共通だが、4ドアセダンはトランクを27mmハイデッキ化し、Cピラーを寝かせてウェッジを利かせたフォルムとした一方でハイマウントブレーキランプをルーフに移動。従来モデルと同等の後方視界面積を保っているという。
北米仕様は2Lだが、日本仕様は1.6Lもある?
搭載されるパワーユニットは直噴のFB型2L水平対向4気筒で、80%の部品を刷新し、中低速のトルクアップと同時に4pアップの152psとした。リアトロニックCVTは軽量化とともにノイズ低減を実現し、7速のMTモードとパドルシフトを備える。AWDシステムは定評のあるアクティブトルクスプリットを継承。また新たに設定されたスポーツグレードにはNAのインプレッサとしては初の18インチアルミホイールとアクティブトルクベクタリングを採用することにより、操舵応答性、旋回性能を向上させている。
北米仕様は2Lのみだが、国内仕様には1.6Lも用意されるとみられ、将来的にトヨタのハイブリッド技術を組み合わせたハイブリッドモデルも加わるようだ。
ここまで内装の質感を上げてくるとは予想もしなかった
ドライバーとパッセンジャーのシート間隔を左右に10mmずつ広げた。8インチのタッチスクリーン、その両脇にベンチレーショングリルを配置し、ダッシュボード上にリアルステッチを斜めに入れて空間をより広く見せる演出をほどこすなど、室内の質感はレガシィを上回る仕上がりだ。
プロジェクトゼネラルマネージャーの阿部氏は「乗った瞬間から、誰が運転しても、どんなシーンでも、どこに座っても、安心と楽しさを体感できる車です。操舵応答性が良くなったことで、路面のアンジュレーションや横風などに対応して、車をまっすぐ走らせようとするステアリング操作がスムーズになっています。実はリアの追従性はBRZよりも高いのです。数値上では表しにくい、「動的質感」という走りの性能を高めました。それはお客様が車を操る際に感じる部分で、過渡特性、操舵応答性の素早さです。結果として、ボディ剛性を高めながらも、乗り心地と静粛性を損なわないものに仕上がりました。他車や従来モデルと乗り比べていただくと、その歴然たる違いを実感して頂けると思います」。
走りと内外装の質感は、ベンチマークにしているVWゴルフⅥを凌ぐ仕上がりになったとのこと。日本発売は10月。実に楽しみなⅠ台だ。
新型インプレッサ主要諸元
全長☓全幅☓全高(mm) | 4625(5ドア/4460mm)☓1777☓1455 |
ホイールベース(mm) | 2670 |
エンジン | FB20型水平対向4気筒DOHC、1995cc |
ボア☓ストローク(mm) | 84☓90 |
最高出力(ps) | 152 |
トランスミッション | リアトロニックCVT |
駆動方式 | シンメトリカルAWD |
タイヤサイズ | 205/55R16、205/50R17、225/40R18 (グレードにより3タイプの設定) |
予想価格 | 160万~250万円 |