この10年間ほどで軽自動車は急速に進化した。車内が広く、質感も高まり、安全装備も充実。燃費数値は10年前の1.7倍前後まで向上したから、燃料代は数値的には以前の6割程度ですむ。売れ行きも急速に伸びて、14年には新車販売される車の41%が軽自動車になった。
この売れ行きに慌てたのがメーカーだ。軽自動車は薄利多売だから売れすぎて小型/普通車の販売が下がると収益も悪化する。
ライバル同士の競争が過熱すると値引き合戦も始まる。特にトヨタは小型/普通車のメーカーだから自社の顧客が軽自動車に代替えされると困る。
そこでダウンサイジングの流れを小型車で食い止めることが緊急課題になり、子会社のダイハツはトール4姉妹車を開発した。ボディは小さく、車内は広くしてタントやN-BOXに対抗できる居住性と積載性をめざした。
トール4姉妹車のライバルはソリオだ。その開発の背景にはスズキの事情があった。家族が増えたりして軽自動車では手狭になったユーザーが、小型車に代替えする場合もある。
この重要に応えたのがソリオ。全幅は1625mmだからトール4姉妹車と比べても45mm狭く、国産の小型車では最小だ。裏道でもすれ違いがしやすく、軽自動車と同様の感覚で運転できる。
そして、このトール4姉妹車とソリオのフルハイブリッド車が11月に登場。プチバンと呼ばれるミニバンのような広い室内や機能を持つコンパクトカーのカテゴリーが今、賑わいを見せている。
その他、軽自動車を意識したサイズではないが、プチバンの仲間にはポルテ&スペイド、キューブ、フリードプラスなどもある。
ミニバン的モデルやセダンに近いモデルがあり、それぞれ異なった特徴を持つが、プチバンは注目のカテゴリーとなっている。
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コンパクトHBの10月販売台数トップ8
- トヨタアクア:12480台
- ホンダフィット(HV含む):7520台
- トヨタパッソ:5868台
- トヨタヴィッツ:5126台
- スズキソリオ:3261台
- マツダデミオ:2535台
- 日産ノート:1769台
- トヨタスペイド:1317台