得意のエボリューション戦略でかつての勢いを取り戻す!
エボリューションといえば三菱は外せない。
ランサーエボリューションが15年8月に生産を終了し、以降、スポーツモデルに関して沈黙を続けてきた三菱だが、日産ルノーグループ入りしたことで状況は一変。
社長が会見で「いつかパジェロ、ランエボの開発に挑戦したい」と発言したり、17年の東京モーターショーではコンセプトカーとはいえ久しぶりに「エボリューション」の名前がついたモデル、「e-エボリューションコンセプト」を出展するなど、明らかに風向きが変わってきている印象だ。
実際、三菱の電動エボリューション戦略は具体的に動き出しており、PHEV+S-AWCがその復活第一弾となる。
東京モーターショーに出展していた「e-エボリューションコンセプト」は3モーターのピュアEVだったが、それは「この次」という位置付けだろう。
市販化を目指す電動エボリューションがどんな車かは、16年パリモーターショーに出展した「GT-PHEVコンセプト」を見ればほぼわかる。
フロント1基、リア2基のトリプルモーター方式のフルタイム4WDで、エンジンは主に発電用として使われるシステム。
「GT-PHEVコンセプト」ではEVで120kmの航続距離があり、総航続距離は1200km。
エンジンの排気量やモーターの容量などは未発表だが、この航続距離は実際の開発目標とされているはずだ。
さらに注目すべきは三菱得意の車両運動統合制御システムS-AWC(スーパーオールホイールコントロール)の進化で、速度、路面状況、ドライバーの意図などに応じて最適な駆動力を発揮。
三菱が長年開発を続けてきた4WDシステムだが、その最新バージョンが搭載される。
この電動エボリューションはSUVタイプになると予想されており、路面を選ばない車高の高さを確保しながら、重心は低く、SUVの領域を超えた高い運動性能を発揮する車となる。
PHEVによるエボリューションは19年、次回の東京モーターショーでプロトタイプをお披露目というのが現在計画されているスケジュール。
それ以前の各国のモーターショーで開発の進捗状況がわかるコンセプトモデルを見せていくことになるだろう。
また、SUVタイプだけでなく、ファンはもちろん三菱社内でも復活の要望が多いランサーエボリューションの新世代モデルもラインアップの一つとして検討されているという嬉しい情報もある。
そしてその次、20年頃にはピュアEVによるエボリューションモデルも登場する見込み。
ピュアEVによるS-AWCのさらなる進化を中心に、今まさに開発の真っ只中という状況だ。