トヨタが今年の国内新車販売計画を前年実績比2%減に策定しているわけ
トヨタは、今年の国内新車販売計画を昨年の実績に対して2%減のマイナス成長に策定しました。
この理由は昨年よりも新型車が少なく、その効果が見込めないためと思われます。
16年は11月にルーミー/タンク、12月にC-HR、17年は2月にプリウスPHV、7月にカムリなどの新型車のほか、ヴォクシー/ノアやアクア、ハリアーなど有力車のマイナーチェンジによって、17年新車販売数は158万7062台、前年比3.9%増と堅調な実績を残しました。
これに対して今年は、前半に貢献できる戦略モデルが昨年12月にビックマイナーチェンジしたアルファード/ヴェルファイアだけで中盤に新型クラウン、終盤にカローラ、オーリスが一新しますが、トータル販売台数で本格的に貢献する車種がクラウン以外は来年にずれ込む可能性が強いのです。
昨年あったような中盤以降のマイナーチェンジラッシュはなく、そのマイナーチェンジも中盤実施のシエンタみだから、苦戦は免れそうにもありません。
加えて、今年のスタートを予感させる昨年12月の販売実績は前年同月比1.9%減ですから、トヨタの計画はあながち弱気すぎるとも言えない側面がうかがえます。
- トヨタの18年新車販売台数は、昨年12月にマイナーチェンジしたアルファード/ヴェルファイアが押し上げるが、その他を大きく影響するのは次期型クラウンの見込み。
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マイナーチェンジしたアルファード/ヴェルファイアが好調な滑り出し
トヨタが昨年12月25日にビッグマイナーチェンジしたアルファード/ヴェルファイアの売れ行きが好調な滑り出しを見せています。
1月中旬現在の納期は両モデルとも3月中旬で、2ヶ月待ちの状況となっているのです。
同じボックス型ミニバンですが、ミディアムクラスのヴォクシー/ノア/エスクァイアの方は昨年7月にマイナーチェンジしたものの、以降の販売は前年実績を上回れず苦戦が続いていて、トヨタミニバンは明暗を分けそうな趨勢です。
ただし、ヴォクシー/ノアは年末に設定した特別仕様車の「ヴォクシーZS煌」や「ノアSiWxB」は好調に売れていて、今後巻き返す可能性もあります。
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新たに2Lハイブリッドユニットを開発か
トヨタはミディアムクラスに搭載するハイブリッドユニットを2L用で開発し、近い将来投入する方向で開発を進めているようです。
これまでミディアムクラス用ハイブリッドユニットは1.8Lでカバーし、プリウス、ヴォクシー/ノア/エスクァイア、オーリス、レクサスCT200hなどに搭載しています。
こうした中で車重がかさみ、トルク不足が指摘されているのがヴォクシー三姉妹車です。
NAガソリン車とハイブリッド車の併設モデルは一般的にハイブリッドの割合が40-50%ですが、ヴォクシー三姉妹車は30%にとどまっています。
ライバルのホンダステップワゴンは2L、日産セレナはこの3月にe-POWERを発売し、いずれもトルクフルな走りが特徴です。
こうなるとヴォクシー三姉妹車の非力さがより際立ち、販売政策上不利との見方が強くなっています。
またトヨタは19年にもミディアムクラスSUVである「RAV4」の国内投入を復活させる方向で開発を進めていますが、設定するハイブリッドモデルは2Lを選択する可能性が強いのです。
ただ、トヨタの開発担当者は「ハイブリッドユニットは1.8Lと2Lの両方を設定する考えはなく、どちらか一方に絞るのが基本方針」とコメントしています。
この方針に変わりがないとすれば、1.8Lがなくなり、2Lに一本化されることになりますが、果たしてどうなるか注目です。
- ノア/ヴォクシーなど、ミニバンのような車重の重い車種にも採用されている1.8Lハイブリッドユニットは、よりトルクのある2Lハイブリッドに変更か?