基本はFFでありながらエンジンを縦に置くことで左右対称の4WDレイアウトを可能とし、前輪側はアクスル位置をエンジン前方へと配置することで重量配分の適正化を実現。A4はアウディの個性が存分にいかされた中核車種だ。ライバルに相当するBMW3シリーズ、メルセデスベンツCクラスと伍するどころか時に上回る程のセールスをドイツでは記録し続けていると聞けば、いいかに彼らにとって重要な位置づけであるかも伝わるだろう。そのA4が8年ぶりのフルモデルチェンジを受けて、欧州での発売を開始した。
ディーゼル、となると欧州車。アウディは来春から攻勢に出るようですね。今の愛車の燃費が悪いようならフルモデルチェンジしたアウディに乗り換えるのも良いかもしれません。
それで、乗り換えるときに今の愛車を下取りに出すんでしょうけど、もっとお得に乗り換える簡単な方法があります。愛車をカービューの無料一括査定サイトで売却すればいいんです。
これまでの実績ではディーラー下取り価格より数十万円高く買取ってもらえるようですよ!
詳細はこちら→>>あなたの愛車は今いくら?<<
↑
高く売れたら浮いたお金で支払いも楽になりますよ!
ライトサイジングコンセプトのもと開発されたアウディ版ミラーサイクル
通常のサイクルより1年近くローンチが後ろ倒しとなったその理由は諸説飛び交っている。中には現行Cクラスの想定外の出来をみて、さらなる磨き込に時間を要したという話もあるが、MLBと呼ばれる新型プラットフォームの並行開発に手間を要したのではないかと思う。
日本仕様の詳細はまだ確定していないが、どうやらアウディジャパンはこのフルモデルチェンジを皮切りに一気にディーゼル攻勢の狼煙を上げる模様。そうなると市場的に最も期待されるのは2L直4ディーゼル+クワトロの組み合わせとなるだろう。
一方でガソリンエンジンにはミラーサイクルのロジックをアウディ的にアレンジした新開発の2L4気筒が用意される。これも日本への導入はほぼ確実ということで、試乗はこの2つのエンジンを中心に行った。
アウディの魅力の一つである内外装の精緻な作り込みは、新しいA4においても健在だ。パネル間のチリ合いは前型でも強烈な領域に達していたが、新型で際立つのはエッジがキリッと立ったプレスラインの鋭さ。特にドア間をまたいで前後灯火を繋ぐアウディ共通のキャラクターラインの精密さはライバルに対する示威とも受け取れるほどだ。
メーターパネル全体を12.3インチ液晶パネルで構成し多彩な必要情報を的確に表示するバーチャルコックピットを内包するダッシュボードのシボ感や触感の統一されたスイッチ類のフィニッシュ、センターコンソールやドアトリムの建て付け剛性など、内装の静的質感もライバルをきっちり凌駕している。
190psの2L直4ディーゼルと2L直4ガソリンを試乗!
新型A4のパワートレーンはディーゼル=TDIが4種類、ガソリン=TFSIが3種類の計7バリエーションになる。うち日本に導入されると思わしき190psの2L直4TDIは6速MTでの試乗となった。おそらく日本では7速Sトロニックそしてクワトロとの組み合わせになると思われ、マネジメントは若干異なることが予想される。
その出力特性は発進時から強烈なトルクでグイグイ押し出すというよりも、高回転域へと綺麗にパワーを乗せていくタイプで4700rpmに設定される回転上限域まで、力強さはまったく途切れることがない。そしてアクセルを踏み続ければそのまま5200rpm付近まで綺麗に吹け切り、レブリミットでも滑らかに頭打ちを感じさせるなど、フィーリングには相当留意していることがうかがえた。
しかしそれ以上に感心させられたのが2L直4TFSI、つまりガソリンエンジンの側だ。ターボチャージャーによって圧送される吸気をバルブの早閉じで適切に制御することで吸気行程時間を短縮、ポンピングロスを減らし高効率化を図ったというそれは、この手のエンジンが本来苦手な領域だろう回転域でも十分なトルクを発し、6000rpmオーバーのレッドゾーンに至るまでパワーの乗りも申し分ない。
こちらの試乗車にはおそらく日本仕様と同一と思われる7速Sトロニックが組み合わされていたが、この活発なエンジンの性格もあってスポーツドライビングにも十分答えてくれる小気味良さをみせてくれた。ちなみにこのエンジンは0~100km/h、7.3秒、最高速240km/hという動力性能とともに欧州複合モードで4.8L/100km(約20.8km/L)と燃費性能も見事に両立している。
3シリーズやCクラスと比較して圧倒的に優位なところは?
直接的なライバルとなる3シリーズやCクラスに対し、新型A4が決定的に優位を築いている項目としては前述の静的質感にくわえて快適性の高さも上げられるだろう。アウディA8並という静粛性はいささか盛った形容という印象だが、ともあれ上屋回りの遮音性は完全にクラス水準を塗り変えるもので気密性の高さにくわえてCd0.23という空気抵抗の低さも充分に納得させてくれる。その分、ロードノイズがやや目立ってしまうのはいたしかたないところだが総じてA6クラスの上質感はそなえていると言えるだろう。
限られた時間内ではダイナミクスについて分かりかねるところもあったが、ライドコンフォートについても新型A4は大きく進化していた。特に微細な入力をスッキリと吸収し、凹凸もおだやかに受け止めていなすなど、その足さばきは低中速域において顕著にやさしくなめらかになっている。また先代の弱点だったこの速度域での無機質な操舵フィールもインフォメーションがグッと高まるなど、ライバルの長所はしっかり押さえているという印象だ。新型A4の日本上陸は16年のごく早い時期が予定されているという。ともあれプレミアムDセグメントに強力な指標があらわれることになるのは間違いない。