いよいよ復活か?最近、スズキ販社の幹部の間で話題になっているのが90年代、ホンダビート、マツダAZ-1とともに話題を振りまいたカプチーノ。ビート、AZ-1がミドシップだったのに対し、カプチーノはスポーツカーの王道とも言えるFRで走りのたのしさを提案した軽スポーツだった。
昨年、デビューしたホンダS660。そして、ここ最近では唯一の軽オープンスポーツとして君臨してきたダイハツコペンが一昨年第2世代に発展。軽スポーツ市場も活況を呈すと予想されていた。現実的には、S660を含め楽観は出来ない状況にある。
スズキ関係者はこれまでコペンに対抗するような車種は出さないと明言してきた。しかし、ハスラーの成功以降状況が変わったと言われる。新型アルトのデザインを、元アウディデザイナーの和田智氏が手がけたという報道もあるし、今回のアルトワークスの復活などもその一つだ。
スズキの開発力、商品力はハイブリッドやS-エネチャージなどの燃費技術、それにターボによるハイパフォーマンス技術など、ここ数年大きく向上している。鈴木修社長時代から「役に立つ商品をリーズナブルな価格で」というポリシーそのままに、昨年6月、長男の俊宏副社長が社長に昇格した。
その鈴木俊宏新社長がスズキの新しいクルマづくりに民主的な手法を取り入れる。新しい提案があり、現場を多く知るスズキの責任者が強く押す企画であれば、どんな車でも登場するチャンスが増える、ということだろう。「今後は社員全員が自主的に行動するチームスズキとなって進めたい」という抱負を語る新社長だけに今後の新型車にも期待が持てる。
そうした中での動きがカプチーノ復活説。新型カプチーノは初代モデルとは大きく異なり、アルトワークスのパワートレーンを使った4WDターボ。大きな投資をせずに既存のユニットを使った2シータースポーツで先行するコペン、S660に対抗する。
昨年末12月24日に発表されたばかりのアルトワークスにはFFのほか4WDもある。ミッションも5MTと評判のいい5AGSと呼ばれる2ペダルのAMTも用意される。パワーは64ps、10.2kgmと軽自動車の上限。4WDの場合700kgを超えるが、2シーターであることを考えると、ワークスよりも軽量化でき、700kg程度にはおさまる。
そんな4WD軽スポーツが出てくるならば、コペン、S660とは違った新しい提案のあるスズキらしい軽スポーツとなり得る。価格もワークスが150万円ちょっとから買える事を考えると180万円程度。ライバルに対してもアドバンテージがある。
開発にGOサインが出ているなら、この手の動きは予想以上に早い。来年には登場することもありえるのだ。
●エンジンはR06A型直列3気筒DOHC,インタークーラーターボ。パワーは64ps/6000rpm、10.2kgm/3000rpmだ。5MTのほかアクチュエーターによる自動の5速MT、5AGSも採用。これが新しいスポーツ感を生む。