11年12月に発表され、12年6月に調印されたトヨタ×BMWの包括提携は、さらに協業関係を深め、すでにディーゼルエンジンに関しては、ヨーロッパ向けオーリスにBMW製エンジンを搭載している。
そして、注目のスープラ後継車の開発に関しても一昨年から本格的にスタート。次期Z4とプラットフォームを共用化し、実質的にはBMWで生産、日本に輸入する事で開発が進んでいる。
昨年には2シリーズをベースとしたショートホイールベースのテスト車もニュルブルクリンク近郊に出没。その模様をとらえたカメラマンによれば、相当パフォーマンスが高そうだと伝えている。
スープラ後継車のデザインは、BMWが開発するといってもトヨタ独自のものとなるのは言うまでもない。ただし、14年のデトロイトショーで発表されたCALTYデザインのFT-1とは異なるものだ。
サイズ感もFT-1よりもコンパクトでマッシブなデザインになると言われる。BMW2シリーズクーペのホイールベースが2690mm。テスト車は150mmほど短く見える。現行のZ4は2495mmのため、それでも50mm程長くなる可能性があるが、これが意味するのはスープラが2+2を維持する可能性が高いことだ。
02年に生産を終了した最終型と言われるA80系のホイールベースは2550mm。2シリーズベースのテスト車のホイールベースに近い。Z4は間違いなくオープン2席なのに対し、スープラはクーペボディの2+2。これが2車の最も大きな違いになる。
エンジンは直4の2Lと直6の3Lは決定。ともに直噴ターボとなるが、2LのZ4は数種のチューニングがあるのに対し、スープラの欧州仕様はZ4 28iの245psをパワーアップした260ps仕様と340i326psの発展型で、330psを搭載する予定という。ミッションはアイシンの8ATも予定されたが、最新情報ではZFになる可能性が高まったということだ。
ボディはアルミ、カーボンを使い1340~1450kgで、最も軽いモデルで現行Z4よりも50kgの軽量化が図られると言うからパフォーマンス的にも相当高い。
高額な素材を使うことから価格も高騰しそうだが、最新の7シリーズもそうであるように、カーボン素材の量産化を進めており、Z4よりも当然安価で日本に持ってくることになる。予想としては、500万~800万円程度が見込まれ、Z4のデビューから少し遅れ、18~19年頃になりそうだ。