車のスライドドアが日本に最初に生まれたのは1966年。商業車のダットサンキャブライトが 最初だった。
日本の狭い道路でもドアが開けられ、荷物を出し入れできる。そんな利点で人気になった。以来、商業車を中心に広がり始める。
そして1980年代に入り日本にもミニバンブームが到来、リアにスライドドアを持った初代プレーリーが登場したのが1982年、以来ミニバンブームの盛り上がりとともにスライドドア搭載車がどんどん増えていった。
ちなみにミニバンの発祥地アメリカの元祖ミニバンと言われるダッジグランドキャラバンもスライドドア搭載車だった。
初期のスライドドアは左側のみ、もちろん手動。それが電動式になり、両面スライドドアになる。
今ではミニバンのみだけでなく、シエンタのようなコンパクトモデルにも採用され、ポルテのように左側はスライドドアしか持たないという車も登場しているし、タントのように、センターピラーをなくして、広い開口部を売りにしているモデルもある。
この辺のユーザーに対するきめ細やかなモノ作りは、日本ならではのもの作りと言えるだろう。
現行国産車の中では177車中、実に38車種がスライドドアモデルと言うので、日本での人気の高さがわかる。
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スライドドア搭載国産車一覧(車種、ドア位置)
- ポルテ/スペイド:左のみ
- タンク/ルーミー:両面
- シエンタ:両面
- アイシス:両面
- アルファード/ヴェルファイア:両面
- ノア/ヴォクシー/エスクァイア:両面
- エスティマ:両面
- ハイエース:両面
- デイズルークス:両面
- NV100クリッパー:両面
- ラフェスタ:両面
- セレナ:両面
- エルグランド:両面
- e-NV200:両面
- NV200:両面
- NV350:両面
- N-BOX:両面
- バモス:両面
- フリード:両面
- ステップワゴン:両名
- オデッセイ:両面
- ビアンテ:両面
- プレマシー:両面
- タウンBOX:両面
- ミニキャブミーブ:両面
- デリカD:2:両面
- デリカD:3:両面
- デリカD:5:両面
- ジャスティ:両面
- ムーヴキャンバス:両面
- タント:両面
- ウェイク:両面
- アトレー:両面
- トール:両面
- スペーシア:両面
- エブリイワゴン:両面
- ソリオ:両面
- ランディ:両面
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スライドドアのメリットとデメリット
スライドドアのメリットは何と言っても狭い場所で楽にドアを開け閉めできること。ヒンジ型ドアでは隣の車にドアをぶつけてしまう場面でも、スライドドアならぶつける心配なし。それに乗り降りも楽。
一方デメリットもあって、それは機構が複雑になること、そしてそれに伴って重量も増してしまうことだ。
現行のスライドドアはほとんどパワースライドドアになっているが、このパワースライドドアで大きなシェアを持つのがアイシンだ。普通車の場合約8割、軽の場合はほぼ100%のシェアを持っている。
アイシン製のパワースライドドアが優れているのは、何と言ってもモーターをドア側に内蔵したこと。
アイシンがスライドドアに取り組み始めたのは1990年代初頭。東京モーターショーでもコンパクトカーにパワースライドドアを搭載して発表している。
その後本格的な取り組みが始まったのは、1999年タウンエース/ライトエース・ノアに搭載する計画が始まってから。
しかしこのモデルはマイナーチェンジモデルだったため、制約も多くドアにメインユニットを内蔵するのは難しく「プッシュケーブル式」しか採用できなかったが、その後、様々な問題を解決し、2001年のノア/ヴォクシーについにドア内臓駆動システムを搭載。
これがヒットの源流になる。もちろんその後も改良が加えられ、安全で使いやすく、しかも効率に優れたシステムになっていった。
メリットの多いスライドドア、これからも増えていくだろう。