モーターショー開催年のお楽しみといえば、ホンダミーティング。ホンダが近い将来市場投入を睨む数々の試作車に乗れるチャンスだ。NSXやクラリティフューセルにいち早く乗った感想はいかに?
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新型NSXに乗った感想は、「ああ、やっぱりNSXのDNAは健在だ」ということ。一言で言えば「洗練されたスーパーカー」。これは見事に初代からぶれていない。初代が持っていたクールなスーパーカーというイメージが引き継がれているのだ。
そのわかりやすい象徴が電動パワーの巧な使い方だ。新型NSXは現在のスーパーカーらしく各種の走行モードを備えている。EVモードこそ用意されていないが、Quietモードで静かにアクセルオフを踏めば、モーター走行でスルスルと音もなく発進。バッテリーのコンディションが良ければそのまま100km/h程度まで加速することができ、距離にすれば3km程度走れる。
スーパーカーが最も不得意とする渋滞時などには実用上のメリットもありそう。もちろん言うまでもなくパフォーマンスに不満はない。途中SportモードやTrackモードに切り替えて、いろいろ試してみたが、ひとたびスロットル全開にしてやれば、7500rpmのレッドゾーンまでまさにイッキ。超クロスレシオの9速DCTが4速に入ったあたりで、今回の試乗で設定されていた190km/h弱のスピードリミットに到達してしまう。
500ps/550Nmを発揮する3.5L V6は、バンク角75度のブランニュー。ドライサンプ潤滑システムの採用で、マウント位置はレーシングカー並の超低重心。ミッションはこれまたブランニューの9速DCTと組み合わせられる。
全開時には前後3つのモーターがアシストするので、トータル出力/トルクは573ps/645Nm(65.8kgm)。1725kgという車重はかつてのNSX(5MTで1350kg)のように軽量とは言いがたいが、パフォーマンスは現在のハイパースポーツ群の中にあってもかなり上位に位置すると思う。
ただ、高性能だがワイルドさが皆無なのであまり速さを実感しないという傾向はある。たとえば、ほぼスペック的に同等なGT-Rなんかだと全力で静止からスタンディングスタートすると、ちょっとめまいがするほどの加速感に圧倒されるが、NSXの加速感はそう言った暴力的な要素が皆無。多分絶対敵な速さもGT-Rには一歩譲るといった雰囲気で、最速にこだわるというよりは走りの質や洗練度を高める方を重視しているように思う。
今回の試乗では電動パワーのもう一つのユニークな使い方であるトルクベクタリングを十分試すことはできなかったが、こっちも興味津々。SportモードやTrackモードに切り替えてサーキットをガンガン走ってみる日が待ち遠しい。
新型NSX主要諸元
全長☓全幅☓全高(mm) | 4470☓1940☓1215 |
ホイールベース(mm) | 2630 |
エンジン | V6、DOHC ツインターボ、3.5L |
エンジン最高出力(ps/rpm) | 500/6500-7500 |
エンジン最大トルク(kgm/rpm) | 56.1/2000~6000 |
システム最大出力(ps) | 573 |
トランスミッション | 9速DCT |
サスペンション(F/R) | ダブルウィッシュボーン/ マルチリンク |
価格 | 1800万円~ |