4代目フォレスターが初のマイナーチェンジを実施した。新型はフェイスリフトと安全装備の充実を図り、魅力がアップした。ウィンターシーズンに心強いSUVである。
販売好調のスバル車を牽引するモデルがフォレスターである。北米市場ではレガシィ・アウトバックと並び、月販1万5千台前後。国内SUV市場でも常に販売ランキング上位だ。
その人気モデルが、初のマイナーチェンジを実施した。SUV市場は国内外のメーカーが続々と新型を投入する激戦区。ニューフォレスターは内外装の意匠変更をはじめ、メカニズムまでブラッシュアップを図った。
エクステリアはヘッドランプ、フロントバンパー(NA車)、グリル、アルミホイールなどのデザインを刷新。ワイド感やリフトアップ感の演出を図っている。
インテリアは、インパネセンターのトレイやドアグリップを合成皮革にし、後席用ヒーターを設定するなど質感をアップ。また、ドアガラスの板厚増やリニアトロニック(CVT)の改良などで静粛性が向上した。
安全性装備は、アイサイトがバージョン3に変更されて、アクティブレーンキープ(車線維持)やAT誤発進抑制機能などが設定された点が特徴だ。
走りの質感向上にも手が入った。ドライバビリティを引き上げるため、アクティブトルクベクタリングの新搭載やステアリングギア比の変更(15対1から14対1へクイック化)、サスペンションの設定を変えるなど、改良点は多岐にわたる。
試乗車は2L直噴ターボを搭載する最上級グレード、2.0XTアイサイトである。路面がフラットなテストコースで行われたため、限定的な評価にとどまる。
高速周回路を走りだす。SIドライブ(走行モード)はインテリジェント。静粛性は非常に高い。タウンスピードから100km/h前後の領域でも、聞こえてくるのはかすかな風切音程度。CVTの加速感はは旧型よりナチュラルになった。速度アップとエンジン回転数の上昇がシンクロしていて気持ちがいい。
ハンドリングコースは低中速のタイトターンが連続し、重心高が高いSUVが最も苦手とする状況だ。ここではSIドライブのSやS#を選びスポーティに走る。タイヤからスキール音が出るまで追い込んでもニューフォレスターは簡単にコーナーをクリアしていく。ノーズの入り方やロール、コーナーの立ち上がりまで全てが自然体であり、不安感はない。アクティブトルクベクタリングの制御はナチュラルで、アンダーステアを上手に回避していた。乗り心地は快適でコーナリングも軽快。ロングドライブに出かけたくなる1台だ。
主要諸元と主要設備
グレード | 2.0XTアイサイト |
全長☓全幅☓全高(mm) | 4595☓1795☓1715 |
ホイールベース(mm) | 2640 |
トレッド(mm) | F1545☓R1555 |
車重(kg) | 1610 |
最低地上高(mm) | 220 |
エンジン(プレミアム仕様) | 1998cc水平対向4DOHC 16Vターボ |
最高出力((kW(ps))/rpm) | 206(280)/5700 |
最大トルク(Nm(kgm)/rpm | 350(35.7)/2000~5600 |
JC08モード燃費(km/L) | 13.2(燃料タンク容量60L) |
サスペンション | Fストラット/ Rダブルウィッシュボーン |
ブレーキ | F/Rベンチレーテッドディスク |
タイヤ&ホイール | 225/55R18+アルミ |
駆動方式 | 4WD |
乗車定員(名) | 5 |
最小回転半径(m) | 5.3 |
価格 | 8CVT 312万8760円 |