年々グローバルでのシェアを伸ばしているレクサス。昨年は全世界で67万7615台を売上げ、対前年度比104%で4年連続となる過去最高販売台数を記録。
そのうち、日本でも過去最高となる5万2149台を販売し、グローバルでの販売実績を上回る対前年度比108%を記録した。
この好調ぶりを支えているのは、グローバルで人気となっているSUVカテゴリーのRXやNXといったモデル。
特に15年4月のニューヨークショーで発表され、同年10月から日本での販売が始まった現行型RXは世界中で引き合いのある人気モデルだ。
実際、日本での昨年の年間販売実績を見るとRX450hが1万447台、RX2001が7232台と計1万7679台。
一つ下のクラスのクロスオーバーモデル、NXの1万1011台をも上回り、日本でのレクサスの最量販モデルとなっているのだ。
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レクサス販売主力のRXに7人乗り
この好調ぶりにも手綱を緩めることなく、レクサスは今年夏にRXのビッグマイナーチェンジを敢行する。
その「目玉」となるのが7人乗りモデルの追加設定だ。それを裏付けるかのように昨年3月、欧州連合知的財産庁に「RX350L」(RX350は海外専売のV6、3.5L DOHC搭載モデル)、「RX450hL」の申請が行われていたという。
現在、レクサスにはSUVのフラッグシップモデルとして1100万円のLX570が7人乗りモデルに該当するが、それ以外には3列シート車の設定が無い。
ランクル200譲りの本格的なオフロード性能を持つ一方、高価で大柄なLXだけでは多人数乗車のニーズには応えきれない部分があったのは事実だ。
しかし、スタイリッシュで都会的なRXのボディをストレッチした7人乗り仕様を追加することで、レクサスブランドに新たな顧客がつかめる。
レクサスRXの場合、主な競合車は価格的に輸入車勢となるが、欧州勢のBMW X5、アウディQ7、ボルボXC90、レンジローバースポーツと言ったライバル車は3列シート車をすでに日本にも導入している。
このゾーンに切り込んでいくのがRX7人乗り仕様となるわけだ。
標準モデルのRXは先代型から全長を120mmは延長した4890mm、全幅1895mm、全高1710mmという堂々たるサイズで、ホイールベースは2790mm。
7人乗りは、ホイールベースこそ標準と同じ2790mmだが、リアオーバーハングを110mm延長して全長は5000mmに達する。逆に全高は1705mmと標準から5mm低められている。
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7人乗り仕様はハイブリッドのみ
前述したように、欧州で登録が判明したロング仕様のグレード名はRX350LとRX450hLだが、日本ではRX450hLのみに3列シート車が設定される模様だ。
注目の価格は、標準モデルのRX450hが602万~742万円となっていることから、RX450hLでは700万~850万円ほどと予想される。
この価格帯を考えるとターゲットとなっているのは、まさにアウディQ7やボルボXC90などのユーザー層とかぶってくる。
また、今夏のRX全体のビッグマイナーチェンジで2L直噴ターボ搭載のボトムライン「RX200t」のグレード名を「RX300」に新規で変更するという情報もある。
いずれにせよ、今「旬」の人気カテゴリーであるクロスオーバーSUV市場で確固たる存在感を放つRXに、新たな選択肢がまた一つ加わることで魅力度を大きくアップするのは間違いないだろう。