なかなか具体的な動きが見えてこないトヨタのスポーツカー戦略だが、まずは「86」が初のマイナーチェンジを実施することから動きが始まる。
4月のニューヨークショーで初公開されたマイナーチェンジモデルでは内外装の変更が明らかにされているが、本質はそこではない。現在「徹底的にチューニングを煮詰めている」と開発に関わる関係者が言うように、スポーツカーに最も大切なシャシー性能を磨き上げていると言うから楽しみ。エンジンは吸排気系のファインチューンにより5psアップの205psにパワーアップし、6MTのギア比はローギアード化されてよりアクセルワークに対するピックアップが高まる。このマイナーチェンジ86のデビューは8月の予定。
それとともに気になるのはスープラ後継と言われるFRスポーツと、東京モーターショーに出展されたS-FR。「スポーツカーはしっかりとやって行かなくてはならない。86については次期型の話はまだまだです。その前にやらなければならないことが山積みです」と、スポーツモデル開発統括責任者の多田氏は言う。スープラ後継車とS-FRの開発が進行していることを感じさせる。
「スポーツカーは文化です。86からのステップアップを求める声もありますし、逆にもっと間口の広い、入り口のスポーティーカーを求める声もある。こうしたニーズに応えるためにも大、中、小としっかりとラインアップを構築していきたい」と多田氏は続ける。今後の動きに注目したい。