日産リーフが満を持してフルモデルチェンジ。大幅な進化を果たした。
最先端の大容量リチウムイオンバッテリーにより、航続距離400km(IC08モード)を達成。
10年の初代デビュー時に24kWh、15年のマイナーチェンジで30kWhを追加したバッテリー容量は、この2代目で40kWhとなり、航続距離は初代の最初期型に対して何と2倍に。
インバーターも高出力化して、モーターパワーは従来の80kWh(109ps)から110kW(150ps)まで向上し、0~100km/h加速は15%、60~100km/h加速は30%もアップ。
加速Gのピークは20%上昇している。
特筆すべきは電極材を変更し、大電流で継続的に充電できるようになった充電性能の向上。
バッテリーの容量が大きくなった分、80%までの急速充電時間は24kWhバッテリーが30分だったのに対して40分と伸びたものの、30分間充電したときの航続可能距離は大幅に向上しているのだ。
この様に、EVの進化を説明するには電池やモーターの話ばかりになってしまうが、実は、新型リーフは「走りの上質感」も大幅に向上している。
最も顕著なのが静粛性。
モーターノイズを減少させた上で防音、防振材を増やしたことで100km/h走行時の静かさはベンツEクラス、BMW5シリーズと同等だとか。
EVゆえ低速域で静かなのは当然としても、風切り音やロードノイズが気になる高速域で、欧州プレミアムクラスと同等と言うのはCセグメントハッチバックとしてはかなりのものだ。
この辺り、開発者が「EVは簡単に作れると思われがちですが、モーターがあれば出来ると言うものではありません。静粛性や操縦安定性能は長い歴史とノウハウを持った自動車メーカーでないと良いものはできません」と言い切るのも納得。
また、量産EVを長く続き作り続けているアドバンテージについては「高い信頼性」と言っていたが、実際リーフは初代の誕生以来、一度もバッテリーのトラブルは起きていないと言う。
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全自動パーキングシステムがすごい
従来型に対し、全幅が20mm広がり、全高が10mm低くなったデザインも注目だ。
「ダイナミックプロポーション」と呼ぶ新型リーフのサイズは、全長4480☓全幅1790☓全高1540mm、ホイールベース2700mm。
全幅1800mm未満に抑えているのは日本の道路環境ではありがたいところ。
ボディカラーは全14色が用意され、2トーンカラーも6種類を設定。
インテリアカラーはブラックとエアリーグレーの2種類となっており、ブルーに発光するスタータースイッチやシフトノブのクリアブルー加飾など、爽やかなブルーを印象的に使うデザインとしている。
話題は最新技術に戻る。
新型リーフの特徴と魅力は、やはりここにあるのだ。
- プロパイロット
- プロパイロットパーキング
- e-ペダル
新型リーフはこの3つの最新インテリジェントドライビング技術を搭載している。
プロパイロットはセレナやエクストレイルでおなじみの、高速道路単一車線自動運転システム。
S(315万360円)、X(351万3240円)、G(399万600円)の3つのグレードのうち、Gに標準、Xにオプション(セットで16万2000円)、Sには設定なしの構成となる。
機能は従来のプロパイロットと同じで、停止まで制御するACCと車線を維持する自動ステアリングの組み合わせだが、EVならではのスムーズな加減速により、さらに快適な走りを実現している。
続くプロパイロットパーキングがまたすごい。
国産メーカー初の本格的自動駐車システムで、バイワイヤ技術を活用して、駐車にまつわる全ての操作を自動で行うというもの。
前後左右4個のカメラと12個のソナーで構成されており、駐車スペースを確定したら、後ろ向き、前向き、縦列駐車と何でもできて、ドライバーはただスイッチを押しているだけ。
切り返しが必要な時も前進、後退、左右のステアリング操作を全て自動でこなしてくれる。
これもGに標準、Xにオプション(セットで21万600円)、Sには設定なしとなる。
そしてe-ペダル。ノートe-POWERで好評のワンペダルドライブをさらに進化させたもので、アクセルオフでの減速Gが強くなった上に、坂道でも停止を保持する機能も追加。
アクセルオフ時の減速Gはノートe-POWERの0.15Gに対し新型リーフは0.2G。
また、滑りやすい路面では電動ブースターを介して摩擦ブレーキも併用し、後輪を含めた四輪で制動力を発揮させて安定感を向上させている(ノートe-POWERは前輪制動のみ)。
日産の社内データでは普通の車に対し、ブレーキ踏み替え回数が9割減。ノートe-POWERは7割減と言うから、アクセルペダルのオンオフだけで走れる領域が大幅に広がっていることが分かる。
この他自動ブレーキやレーンキープシステムなど、最新の予防安全装備が満載となっている。
もう一つ重大情報。
18年中にはモーターの出力をさらに向上させ、航続距離を伸ばす「e+」を追加設定することも発表されている。
価格などは不明だが、こちらも大いに気になるモデルだ。
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新型リーフ価格(消費税込)
- S:315万360円
- X:351万3240円
- G:399万600円
新型リーフ諸元表
全長☓全幅☓全高(mm) | 4480☓1790☓1540 |
ホイールベース(mm) | 2700 |
最低地上高(mm) | 150 |
車重(kg) | 1490~1520 |
バッテリー | リチウムイオンバッテリー |
バッテリー容量(kWh) | 40 |
電気モーター | EM57 |
モーター最高出力(ps/rpm) | 150/3283~9795 |
モーター最大トルク(kgm/rpm) | 32.6/0~3283 |
航続距離(km)・JC08モード | 400 |
充電時間(普通充電) | 16時間(3kW)/8時間(6kW) |
80%まで充電するのに かかる時間(急速充電) |
40分 |